コンサート本番当日、にわか雨で少し凌ぎやすくなった晩に、普段は陶芸教室などに使われているカマボコ部屋が50名ほどの人でいっぱいになりました。このカマボコ部屋は、第二次世界大戦後に麻布教会に以前にあったのと同じ、GHQの兵舎だった建物ですが、前任の佐久間彪神父様(「マリア様のこころ」の作詞者)も、陸軍士官学校に行くか神学校に入るか迷ったとかいうエピソードがあり、何か歴史的遺産にもなりそうなところです。
さて私が月に一度、手話ソングの練習のためお借りしている縁で、ここで絵本朗読コンサートをやろうという話が持ち上がりました。このグループCross Sign Chorusも、一昨年の世田谷教会での平和旬間祈念ミサで再会した亡き母の友人たちとで結成しましたので、巡り巡って神様のご計画通りになったようなものです。
朗読家の春日玲さんと、ピアノと様々なアンサンブル楽器を使ってユニークな即興演奏をされる、うららさんによる「わたしのヒロシマ」の絵本朗読コンサート。被爆者である森本順子さんがご自身で描かれたイラストを上映いたしましたが、大熊明希さんにはPCとプロジェクター機器を難なくコントロールしていただき、本当に頼もしい限りでした。
続いて、瀧浦萌さんが歌う「ごらんよそらのとり」と「ふるさと」に合わせて、私たちも手話ソングで日頃の成果を披露しました。ピアノ伴奏は世田谷教会のオルガン担当の内村真由美さん。彼女は、第Ⅱ部での私の自作エッセイ朗読「被爆した聖マリア像」や、手話ソング“Amazing Grace”の伴奏もしてくれました。
コンサートの最後は、萌さんと友人の神田麻衣さんのピアノ伴奏による、クラシック音楽の夕べ。“Ave Maria”や“Pie Jesus”を聴いて魂を癒した後は、オペラのアリアや金子みすゞの歌などで、いらしてくださったお客様と共に、心にしみる豊かなメロディーに耳を傾けました。
さて裏話ですが、Cross Sign Chorusのメンバーで、母の友人である石原景子さんの息子さんのお宅が偶然にも、瀧浦さんのお隣だったということがありました。そのお陰で教会は違っても、親戚のように皆さんの気持ちが一つになりました。たまたま知り合った友人が司会者だったり、石原さんの姉の百鳥さんとお友達が手作りのお弁当が差し入れてくださったり、ボランティアの輪があっという間に広がり、びっくりしました。
ところで、カマボコ部屋は世田谷教会敷地内にありますが、地域に開かれたボランティアセンターとしての役割を担っているそうです。カトリック信徒だけでなく、一般のお客様にいらしてくださり、教会に馴染みのない方々にも親しんでいただき、ささやかながらも神様のお手伝いができたことに感謝しています。
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